皆さんは、恋愛ゲームってしますか?
画面の中の男の人と恋愛をしていく、あのゲームです。
最近ではソシャゲ恋愛ゲームがたくさんリリースされるようになりましたが、一昔前恋愛ゲームと言えば家庭用ゲーム機でプレイするものでした。
そういえば、女性向け恋愛ゲームの始まりって、ご存知ですか?
今日は女性向け恋愛ゲームの歴史と、元祖女性向け恋愛ゲーム"アンジェリーク"の魅力について、お話したいと思います!
1994年、はじめての恋愛ゲーム「アンジェリーク」が誕生しました!
今から遡ること25年前。
株式会社光栄(現コーエーテクモゲームス)から、世界初となる女性向け恋愛ゲームが誕生しました。
それが、"アンジェリーク"です。
アンジェリークの世界観はファンタジーです。
宇宙を統治する女王陛下と、異なる力を所有する「守護聖」と呼ばれる9人の男性によって、世界は成り立っています。
彼らは「聖地」と呼ばれる外界から隔絶された場所に住まい、人でありながら何百年の時を生きる神に等しい存在であり、事実外界の人々からは神と見なされています。
あなたはこの宇宙を統べる女王になるべく、女王試験に参加し、その過程で守護聖の皆様と恋をしていくのです。
時代が時代だけあって、その世界観は耽美そのもの。
ベルサイユの薔薇も真っ青です。
絢爛豪華な城、現実離れした守護聖様方のビジュアル、「神に等しい」という圧倒的地位。
それに加え、ショタから始まり、おネエ、ツンデレなど、そのキャラクター性は実に多彩なものでした。
実は、女性向け恋愛ゲームより先に、男性向け恋愛ゲームは登場していました。
売れ行きも好調。
「男性向け恋愛ゲーム」は地位を確立しつつありました。
しかし、女性がバーチャルでの恋愛をするだろうか。
開発チームは悩みます。
ゲーム一つの開発には相当なコストがかかるもの。コケるわけにはいきません。
しかし、市場が全く分からない。
そこで、コーエーはまず、ドラマCDを発売することにしました。
「アンジェリーク」の何が、人の心を掴んだのか。
1994年9月、「アンジェリーク」の主要キャラクター9人のうち、「年少組」と呼ばれる3人のキャラクターを主軸に置いたCDが発売されました。
CDの脚本は、テーマを恋愛に偏らせず、「アンジェリーク」の世界観を存分に活かしたファンタジーものでした。
おおよそー時間のドラマCDは、非常に完成度の高いものでした。
恋愛ゲームには抵抗がある人々も、純粋にストーリーを楽しめたという訳です。
その後、スーパーファミコン用ソフト「アンジェリーク」が発売されますが、その後も、恋愛に特化した訳ではないドラマCDシリーズをリリースしました。
内容は、ファンタジー。中にはダークファンタジーと言えそうなドラマCDも存在しています。
ファンはまず、「恋愛ゲームアンジェリーク」のファンになるのではなく、「アンジェリーク」という物語のファンになっていったというわけです。
アンジェリークのここがすごい!
アンジェリークの凄さは、その展開手法であるとも言えます。
開拓者はいつだってどんなものだって、凄いものです。
しかし、それだけではありません。
恋愛ゲームがたくさんある今だからこそ、「アンジェリーク」をおススメしたい10の理由
アンジェリークが多くのユーザーを確保したのは、その展開手法が見事だったから、とも言えるでしょう。
しかし、それだけではありません。
いくらパッケージが可愛くても美味しくないものにリピーターがつかないのと同じで、中身が面白くなければユーザーは確保できません。
では、"アンジェリーク"の何が、人々の心を魅了したのでしょうか。
その1:圧倒的「非現実感」
アイドルが彼になる、なんて比ではありません。
あなたが恋をしているのは、この宇宙を統べる神に等しい存在。
そんな高貴で神聖な存在があなたに恋をして、傅くのです。
その2:あなた自身が、宇宙を統べる「唯一無二」の存在であること
"アンジェリーク"の最終目標は恋愛をすることではありません。
宇宙を統べる「女王陛下」になることです。(後続のシリーズでは女王ではありませんが、天使になります)
恋をする為にゲームをするのではないのです。
女王陛下になる為にゲームをしていたら、あなたは恋に落ちているのです!
同じ志を持つ守護聖様に惹かれ合っていくのは、超非現実的の中の唯一のリアリズムでしょう。
その3:恋、それが禁断であること
恋愛ゲームのゴールって、なんですか?
告白し、告白され、お付き合いし、シリーズが進むと結婚。ですよね。
アンジェリークは違います。
「女王陛下」と「守護聖」の恋愛は禁忌です。
あなたは選択を迫られます。
世界か、愛する人か。
決断を下した時、あなたは「愛」の本当の意味に気付くはずです。
その4:ドラマCDの脚本が映画並みに素晴らしい
アンジェリークは、現在までに4つの長編ドラマCDを発売しています。
長編第1作目となったのは、「無限音階」。
これはあなたが聖地へ赴くよりずっと昔の話。
宇宙は滅びの波動によって、危機を迎えていました。
その原因を探るところから物語は始まります。
声と音だけで表現するSFの世界は見事なものです。
次に発売された「緋の輪郭(シルエット)」は、ダークファンタジーとも言えるでしょう。
幼い頃の約束が、聖地を危機に陥れます。
人の心の闇と対峙する守護聖たちもまた、闇に呑まれ……
光と闇の守護聖、水と炎の守護聖の関係性が見事に描かれた一作です。
その後も、新しいキャラクターが登場しながら、ゲーム本編と繋がるサイドストーリーとして、ドラマCDが発売されました。
いずれも、「人の心の弱さ」、「絆」、「強く在るということ」を描いた作品です。
音と声だけとは思えない臨場感に溢れた長編ドラマCDは聞き応え抜群です。
後編では引き続き、アンジェリークの魅力について、解説していきたいと思います!
もうすでに気になっている方は、こちらを訪れてみてくださいね♡