近年よく見聞きするグルテンフリー。周りで実践している人やこだわっている方もいるのでは?
健康に良いというイメージですが、デメリットはないのでしょうか?
グルテンフリーっていったい何? 具体的に何が体にいいの?という疑問を解消しつつ、混同されがちな低糖質ダイエットも含めてご紹介します。
グルテン≠小麦粉
近年「グルテンフリーだから体にいい」といった話をよく見聞きしますが、そもそもグルテンって何のことか知っていますか?
何となくグルテンフリーをチェックしているだけという場合、パスタを食べなければいいらしいとか、お菓子を食べなければいいらしいなどと不正確な知識をお持ちの方も少なくありません。
グルテンとは主に小麦粉に含まれる成分で、たんぱく質の1種です。パンを作ったり、パスタやうどんをこねたりする際に欠かせない、粘りやモチモチ具合、コシなどの元になります。
小麦粉にも種類があって、日本産の小麦粉はグルテン含有量が少なく、パンを作るには適さないなどと言われることもありました。
また、近年ブームの米粉はグルテンを含まないため、本来ならパンやケーキ、うどんを作るのは難しいのですが、いろいろな工夫で幅広い調理ができるようになってきたそうです。
低糖質ダイエットとの違いは?
グルテンフリーの食生活や食品は、低糖質ダイエットと混同されがちです。
なぜなら、グルテンフリーの食生活はパスタやパンがいけないと考えるので、糖質を摂ることがNGな低糖質ダイエットと同じだと思われてしまうからです。
しかし、グルテンはたんぱく質なので、糖質を制限するものではありません。
グルテンフリー重視の食生活を送る方は、小麦粉を使ったパンの代わりに米粉のパンや大豆粉を使ったパンケーキなどを食べ、糖質を排除するわけではありません。
一方、低糖質ダイエットでは糖質が太る原因と考えるので、たんぱく質重視で肉や魚、卵をたっぷり食べ、ご飯も食べないのが基本です。
この点を混同しないようにしましょう。
なぜグルテンフリーが流行っているのか
グルテンフリーが最近注目されているのは、なぜなのでしょうか。
これは、長生きしたければパンは食べてはいけないといったアメリカの研究者などの発言が日本で紹介され、「どうやらグルテンは体に悪いらしい」と広まったからです。
彼らの研究によれば、グルテンには腸の機能を妨げる働きがあり、消化と吸収の作業が妨げられると言うのです。
それによって栄養不足が起こり、カロリーは摂取しているつもりなのに免疫力の低下や消化不良による下痢や便秘が起こりやすくなると提唱しテいます。
間違えると危険! グルテンフリーのデメリットはコレ!
ところが、グルテンフリーの概念が生まれたアメリカでは、グルテンフリーの食生活を徹底しすぎると体に悪いという学者も登場してきました。
グルテンを排除するためにパンやパスタなどの穀物を摂らなくなり、肉食の人が増えることでかえって心筋梗塞や脳卒中になる人が増えるというデメリットを挙げて異議を唱えたのです。
元々グルテンフリーとは、セリアック病(遺伝性の自己免疫疾患)を発症している方やアレルギーを持っている方が実践するものでした。
病気やアレルギーとなれば、当然グルテンを摂取すれば症状が悪化するわけですから、グルテンを摂らない食生活を送ることになります。
しかし、健康な人が過度なグルテンフリーを実践してしまうと、必然的に全粒穀物を取る量が減るため、必要な栄養素(主に食物繊維)が足りなくなる可能性があります。
それによって心臓や血管の病気になるリスクが高まるというわけです。
「健康に良い」「ダイエットに効果的」というメリットのイメージだけでグルテンフリーを実践することは少々危険です。
何事もバランスが大切ですから、デメリットも良く把握した上で適度に食生活に取り入れることをおすすめします。
日本食で実践するには?
日本の場合はパンやパスタ、うどんといった穀類だけでなく、そもそもお米を中心にした食文化があります。
お米にはグルテンが含まれていないので、バランスのいい食生活を送れば健康的なグルテンフリー生活が送れます。
主食はお米、パンを食べたくなったら米粉パン、フライが食べたくなったらパン粉ではなく、米粉をまぶして揚げる、ケーキが食べたいときは米粉ケーキと代替品が豊富な恵まれた環境で。
グルテンフリーメニューを提供するレストランやスイーツショップも増えてきました。
そのためか、アメリカのグルテンフリー主義者も和食を食べようと言っているほどです。
まとめ
グルテンフリーのメリットとデメリット、いかがでしたでしょうか?
グルテンフリーを目指す人にとって、日本食は理想的とも言えます。
米を中心としたバランスのいい食生活を心掛けるだけで、グルテンフリー生活が送れるのは嬉しいですね!