いよいよ春間近……春といえば出会いと別れの季節。
そう、歓送迎会の季節です!
何かと出費がかさみ(なぜか公務員はこの時期に挙式をする人が多いらしい)、お財布のひもを固く締めなければいけないはずなのに、春物の服は可愛いし、春色コスメだって欲しい!
そんなワガママなあなたに今回贈るのは、ずばり
会計士が教えるお金の話
です。
現金主義の考え方から、発生主義の考え方へシフトする
まずあなたは、「現金主義」と「発生主義」という言葉を理解しなくてはいけません。
このふたつの言葉、聞いたことはありますか?
「現金主義」とは、いわゆる普通の家計簿の考え方を指します。
「発生主義」とは、買った時ではなく、使う時にお金の計算が生れるという考え方です。
例えば、あなたが3月に3万円のワンピースを買ったとしましょう。
「現金主義」に於いては、3月に3万の出費があったという考え方をします。
「発生主義」は、まずその服を何回着るかを想定します。30回着ると考えた場合、1回着用ごとに1千円の出費があるというように認識する考え方です。
発生主義は、商業が生れた時代に売り上げを正確に把握する為に生まれた考え方です。
では、「発生主義」の考え方を取り入れることで、なにが変わるでしょうか?
あなたは「安物買いの銭失い」という言葉を知っていますか?
「安かろう、悪かろう」にも通ずる言葉ですが、目先の安値に囚われてトータルで見ると大きな出費になっている状態のことです。
例えば、今はユニクロなどで安価な洋服が手に入るようになりました。
そこで5千円のニットを買います。
でも、安い服は消耗が激しく、だいたい1シーズンで使い捨てにしますよね。
1シーズンに5回着るとします。
すると、このニットは1回着用ごとに1千円の出費になります。
一方、カシミアセーターを2万円で買ったとします。
カシミアは長持ちしますし、高価なものなので扱いが丁寧になります。
それを5年着たとしましょう。
1シーズンに着用する回数は、安物ニットと同じ5回です。
カシミアセーターは5年で25回着ることになります。
すると、2万円もしたはずのカシミアセーターの着用時の価格は800円になるのです。
1回の着用ごとに1千円掛かるユニクロと、1回の着用ごとに800円しか掛からないカシミアセーター。
どちらがお得で賢い買い物か、一目瞭然ですよね。
単式簿記でなく、複式簿記の考え方
単式簿記とは、いわゆる家計簿のことです。
購入品目に対し、価格を記入します。
一方複式簿記とは、得た財産(服や食材などを指します)に対し、いくら費用が掛かったか、という考え方で記入していきます。
複式簿記へ考え方をシフトした場合、何が起きるでしょう。
例えば2万円のカシミアセーター。
これは単純な出費ではなく、
「2万という現金から、2万のカシミアセーターへ財産の形が変わった」
という考え方をします。
財産の残高は変わらないけれど、財産の形が変わる、ということです。
「出費」と捉えるのではなく、「財産の形状変化」と考えると、手にしたい財産の形がクリアにイメージできるのではないでしょうか。
また、「出費」を「財産の形状変化」と捉えることで、旅行も「財産」と考えることができます。
形としては残りませんが、旅行の前ってウキウキしたり、帰ってからも楽しかった思い出にワクワクしたりしますよね。
そういったモチベーション向上の効果を「財産」とみなすことができます。
世界は美しき誤解の元で成り立っている
これはとある経済学の教授の言葉です。
この世の経済活動のすべては、不要と思うか必要と思うかの違いによって成り立っているということです。
メルカリなどが顕著な例ですね。
発生主義で本質の価値を見極め、あなたの財産を大切にしていきましょう!