美容外科の裁判例をまとめた本があります。
その名も「美容医療トラブル解決への実務マニュアル」
70もの裁判例が一覧として掲載され判決年月日、出展、判決、認容額などのデータが記載されています。
そしてそのうちの9割ほどの例について本文中で解説しています。
様々な手術トラブルとその裁判!
美容医療がらみのかなり多くの裁判例が語られていますが、損害賠償の金額が1億7051万8042円(!)というものまで載っていました。
この裁判例については本文中では詳しく語られていないのですが、検索すると裁判所のホームページで判例が検索できます。
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当時20代半ばの方で、低酸素脳症により意思疎通も難しい状態で生涯の入院を要するものとのこと……
原因は完全にはわかりませんが、麻酔のトラブルである可能性は十分考えられます。
できるかぎり早期に処置が行われていたら、と思うと本当に傷ましい事件。
これは2000年代初頭に名を馳せた(悪名高き)「悪魔クリニック」とまで呼ばれたとあるクリニックでの出来事です。
モデル事務所と提携しているなどといった魅惑的な言葉のちりばめられた広告で患者を集め、患者が事前に考えていたのとは大きくかけ離れた高額の手術代金を強要する。
埋没法で50万円……!? いや、100万!!
エラボトックスで100万と言われた、という噂さえもあります。
そしてサインするまで帰さないくらいの恐ろしい勢いでの営業だったそうです。
「ぼったくり」での荒稼ぎを続けた恐ろしいクリニック。
のちに厚生労働省の手によりこのクリニックはなくなった、と噂に聞きます。
ぼったくりに騙されない!
悪魔クリニックはなくなったものの、高額の手術に持っていくパターンは今でも根強く残っています。
SNSの発達した現代だと無茶はあまりできなさそうですがやっぱり存在しているようです。
もちろん自分のパーツの都合で施術が思ったものでなくなる場合もあるでしょう。
でも同じ施術でも極端に高いものを勧められて、事前に考えていた金額と大幅に違う場合には、いったん持ち帰る、と告げて検討することが大事だと思います。
この点は怪しいクリニックを見分けることにも有効です。
カウンセリングに行った上でのチェックポイントにしてみてもいいかもしれませんね!
死亡事故も中には存在……
この本は裁判判例をあげて、トラブル解決の例としているものです。
あくまで裁判例、というわけでもちろん裁判になっていないトラブルもたくさんあるでしょう。
いわゆる示談で終わっているものですね。
裁判になっていなければ世の中に情報が出回りにくいので、中には明るみになっていない死亡事故もあると言われています。
時々美容外科での死亡事故がニュースになりますが、実際の数はわからないです。
ずさんな形で行われたときに事故につながる、というのはどんな職種・業界でも同じなのでしょうから事前リサーチがすごく大事になると思います。
良いクリニックでも多少は変な書き込みはされているのでしょうけれど、避けるべきクリニックはやはり情報が多く出てきます。
クリニック選びは本当に難しいですね、でも頑張っていきましょう!!
追記、おまけです
今回判例をいろいろ調べていたら
美容クリニックの掲示板への悪評書き込み、他のクリニックの院長が患者のふりをして書き込んでいたのがバレて、裁判で負け賠償金を払わされているケースもありました。
世の中いろいろですね……汗